前半、右サイドのペナルティエリア付近で大島がボールをキープした場面、状況的には隼磨が全力で大外に駆け上がればチャンスになる可能性もあったが、隼磨はのらりくらりと中に走ってしまい、出しどころがなくチャンスにならなかった。
後半、開始間もなく失点したが、攻撃に厚みが出始めた頃に得た左コーナーキックから、流れたところで大島がゴールエリア内でフリーとなったが、シュートは枠の上を大きく外れた。先週の柏戦でも同じような形で同じようなシュートミスをしている。
さらに、後半は大島が左右両サイドに流れて起点になろうとするプレーが多くなった。ただ、ロニーのヘディングシュートに合わせたクロスを上げるなど小宮山が高い位置でボールを受けることができるようになっていたので、相手DFのマークが厳しいとはいえ、ゴール前で勝負し、ボールを持てばコースを探すのではなく強引にシュートを打ってほしい。
同じくプレーに精彩を欠いた隼磨は途中交代を余儀なくされたが、札幌戦の2ゴール以外に決定的なシュートチャンスにあまり絡んでいない大島に関しては同タイプのFWがいないため交代策がない。
カップ戦も含めて10試合を終えたが、今季も昨季同様に圧倒的で、ずば抜けたチームはなく今後も混戦が続くことが予想される。
守備面は余程のことがない限り大崩れすることはないはずで、やはり課題は攻撃面。シーズン前から開幕後数試合までの印象としてはボランチとセンターフォワードに不安があったが、ボランチは松田が河合の穴を埋めて余りある活躍を見せているので、残り1つある外国人枠の有効活用も含め、攻撃的な選手の補強に動いてほしい。
2010年のホーム動員100万人に向け、2008年の今季は優勝争いをするための土台作り、2009年の優勝を目標に掲げていることもあり、今季は若手の底上げや成長のためには多少の我慢も必要という考えもあるかもしれないが、戦力を相対的に見ると現状でも十分に上位争いをするだけの地力はあり、選手は勝利のために必死にプレーしているし、サポーターも目の前の試合は全ての試合に勝つことを期待してスタジアムに足を運んでいる。そして、課題がはっきりしてきているのであれば優勝は来年と言わず、今季から全力でぶち当たれば、たとえその結果がどうであろうと悔いは残らないはず。