トップページ 試合日程 選手名鑑 スタジアムグルメ アウェイもトリコロール 毎日トリコロール リンク

メイン

2007/ 3/ 3 J1第1節 横浜F・マリノス vs ヴァンフォーレ甲府

横浜F・マリノス 1−0 ヴァンフォーレ甲府
【得点者】 5分 山瀬功治
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 4 那須 大亮
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
   7 田中 隼磨
MF35 河合 竜二
  29 長谷川 アーリア ジャスール
  10 山瀬 功治
FW 8 マルケス(76分 → 14 狩野 健太)
   9 鈴木 隆行
  33 マルクス(51分 → 11 坂田 大輔)
SUB
21 高桑 大二朗
28 天野 貴史
6 上野 良治
19 乾 貴士
15 大島 秀夫

ついに迎えた開幕戦。トレーニングでも主力組でプレーしていたアーリアが開幕スタメンに名を連ねた。また、登録上ではFWのマルクスがトップ下、MF登録の山瀬が左ウィング的な位置に入った。

立ち上がり、昨年までは何となく試合に入るという印象が強かったが、今日の試合は鈴木が前線で粘り強くキープし、流れを引き寄せる。すると、5分、センターサークル付近でしぶとくボールをキープした鈴木がアーリアにつなぎ、アーリアからボールを受けた山瀬が相手マークをドリブルで振り切って突破し、GKとの1対1をサイドネットに流し込み先制。
その後もマルケスと隼磨のコンビネーションから右サイドを崩したり、17分に右からのクロスにファーサイドで鈴木が滑り込みながらシュートを狙うがポストに阻まれるなど、チャンスは作りながらも追加点を奪えずにいると、流れが甲府にというより、ここ数年の悪い癖ともいえるパスが雑になり、簡単に相手に奪われ攻め込まれる展開が続く。中澤が空振りのクリアミスをした場面では、勇蔵がすばやいカバーリングを見せピンチを守りきり前半終了。
前半は20分過ぎまではボールをキープしつつ、鈴木隆行の粘り、山瀬のドリブル突破、マルケスと隼磨のコンビなど、何度かいい形が見られたが、それ以降は昨年までの悪い流れを引きずるような試合展開だった。

後半も前半と似たような展開となった。立ち上がりは何度かいい形を作ったが、徐々に甲府ペースになる。それでも最後の局面で跳ね返したり、相手のシュートが精度を欠いたことで1点リードのまま終盤にさしかかる。すると勢いを取り戻したかのように攻める展開が続き、こぼれ球をアーリアが狙ったシュートは枠を大きくはずれ、鈴木の角度のないところから左足で狙った強烈なシュートはGKに弾かれるなどし、1-0のままロスタイムに差し掛かったあたりで、タッチラインを割ったボールを鈴木が蹴り出し、遅延行為でこの日2枚目の警告で退場処分。すでに警告を1枚受けていること、残り時間を考えても何とももったいない。このプレーさえなければ今日の鈴木のプレーは素晴らしかっただけに尚更である。その後は1点をロスタイムの3分を守りきり、開幕戦を勝利で飾った。

開幕勝利は結果だけ見ればよいが、早くも第2節をベストメンバーで臨めなくなってしまった。鈴木に代わって大島の起用が予想されるが、機動力という面で鈴木と同等の仕事を求めることは難しいと思われる。また、マルケスと隼磨のコンビネーションなどで右サイドからの攻撃という点ではよかったが、左サイドといえば山瀬や鈴木が個人で突破する場面が多く、サイドバック那須の攻撃参加とクロスの数という点で不満が残る。また、左サイド(相手の右サイド)から崩されることも多く、やはり本職のサイドプレーヤー起用が望ましいと感じた。そして、練習試合、プレシーズンマッチ、今日の試合と見てきてチーム状況を悲観する必要はなさそうだが、楽観できるものでもない。

最後に、スタメンフル出場のアーリアは、個人的感覚ではパスの球質がスキルフルで、基本技術はチームでもトップクラス。さらに、これまで不足がちだった中盤の様々なところに顔を出す運動量でもチームに貢献した。今後は徐々に当たりの強さや自らフィニッシュに持っていく形を増やせばチームも大きく変わると感じた。

退場は余計だった鈴木隆行開幕勝利も中澤は険しい表情
歓声に応える哲也とアーリア天野、乾の若手選手もベンチ入り
ゴール裏に挨拶をする選手達
ヒーローインタビューを受けるマン・オブ・ザ・マッチの山瀬

2007/ 3/10 J1第2節 横浜FC vs 横浜F・マリノス

横浜F・マリノス 0-1 横浜FC
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  22 中澤 佑二
   4 那須 大亮
  26 田中 裕介
MF35 河合 竜二
  29 長谷川 アーリア ジャスール
  10 山瀬 功治
FW33 マルクス(59分 → 11 坂田 大輔)
  15 大島 秀夫(73分 → 20 ハーフナー マイク)
   8 マルケス(29分 → 19 乾 貴士)
SUB
21 高桑 大二朗
28 天野 貴史
 6 上野 良治
17 吉田 孝行

前半、5分にマルケスが相手ペナルティエリア内で倒されたように見えたが、主審はプレーを流す。そこから相手のカウンターを受けコーナーキック。その流れの中、7分に早川に決められ0−1。25分過ぎにはペナルティエリア内の混戦が途切れると、マルケスが痛んでおり、そのまま29分に乾と交代。その後も、乾がドリブルで切り込むなど、前半で追いつくべく攻撃をしかけるが、選手の大半が守備的なプレーの相手に苦戦し、逆にカウンターからピンチを招く場面も見られた。前半ロスタイムには攻撃参加した田中裕介のやや遠めからのロングシュートはクロスバーを直撃して、タッチラインを割ってしまう。このプレーで前半終了。

後半、立ち上がりから攻め込む展開が続く。後半も乾が中盤でボールを受けると長い距離をドリブルで持ち上がってからのパス、後方からのロングボールでチャンスをうかがうが、機動力に欠ける大島、マルクスは反応できなかったり、相手が先にカバーに入るなどしてチャンスにならない。ゴール前の混戦から放ったシュート、山瀬のFKはともにポストに阻まれる。田中裕介の突破からペナルティエリアで進路に体を入れられるがPKはとってもらえない。残り15分のところでは大島に替えマイクを投入するが、チャンスらしいチャンスも作れないまま0−1で試合終了。

特に気になったのは2点、まず、後半のこう着した状況をスピードのある坂田を投入することで打開しようとしたが、大島を前線に残したことで、相手の裏を狙うのか、大島に一度当ててから展開するのか、選手間でも意思疎通に欠けていてように感じた。2点目は那須。後半、乾がハーフライン付近でボールを受けてからドリブルで仕掛けることでフリーキックをもらうなど、チャンスになっていたのだが、乾がディフェンスラインのボールを受けに行くと、那須は前線に行くようなジェスチャーをして乾にボールを渡さない、そのうえでディフェンスラインで無駄なパス回しを始めてしまう。これは終盤のマイク投入後にもいえることで、残り時間が少ない中でパワープレーを仕掛ける段階で近くの中澤や河合にパスをする。監督はマイク投入後は早く前線にボールを送るようなジェスチャーをしていたこと、中澤は早い段階で前線にフィードしていたことを考えると、一連のプレーは監督の意図にも反するものと思われる。守備面でも、チーム全体的に前掛かりになっていたとはいえ相手に裏をとられたり、サイドバックでもセンターバックでもボール処理にまごつくことも多々ある。果たして次節、左サイドバックに那須が戻るのか、田中裕介を継続起用するのか注目したい。

2007/ 3/17 J1第3節 横浜F・マリノス vs ヴィッセル神戸

横浜F・マリノス 1−4 ヴィッセル神戸

【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
   4 那須 大亮
MF35 河合 竜二
   6 上野 良治
  10 山瀬 功治
FW27 斉藤 陽介(37分 → 21 高桑 大二朗)
   9 鈴木 隆行(75分 → 20 ハーフナー マイク)
  11 坂田 大輔(75分 → 19 乾 貴士)
SUB
MF 28 天野 貴史
  14 狩野 健太
   3 松田 直樹
FW 33 マルクス

37分に哲也が得点機会阻止で一発退場。ここを境に変わったことは2つ。1つは斉藤陽介に代えてGK高桑を投入することにより、フィールドプレーヤーが1人減ったこと。もう1つは監督が指示を出さなくなったこと。後半、勝ち越しを許してからはベンチも気にしながら試合を見ていたが、ついに試合終了まで1度たりともピッチの選手に向けて指示することはなかった。上の写真は後半のベンチ。
計ったかのように残り15分でのマイクと乾の投入も、アップ中の2人を松永コーチが呼びに行き、急いで着替えそのまま投入。
この状況は岡田監督時代の末期と酷似している。当時も監督は職場放棄のように選手に指示をすることもなく、終盤はパワープレーを試みるも、ただ時間が過ぎていくという悪循環。これが今季は第3節にして早くも現れた。何もしない指揮官の存在意義は何なのか? こういう状況は時間が解決してくれるとは思えない。

哲也退場前から状況は最悪だった。退場の引き金となったプレーも含め、簡単にディフェンスラインの裏をとられすぎである。他にも相変わらず左サイド(相手右サイド)から崩される。ディフェンスラインや中盤の底からの攻撃の第1歩となるはずのパスは10数メートル先の味方にも正確につなげない。それはボールを雑に扱い、適当に蹴っているように感じる。そういう選手がロングボールを蹴っても見当違いのところに飛んでいくのは当然の結果である。

やはり左サイドには前節、まずまずの動きを見せ、激しい上下動ができる田中裕介、ディフェンスラインにはビルドアップ、正確なフィードができる“ディフェンダー”松田直樹、中盤の底には運動量と激しさに加え、クロスやロングキックに精度のある天野貴史。個人的にはこの3選手の起用を推したい。

2007/ 4/ 7 J1第5節 横浜F・マリノス vs 柏レイソル

横浜F・マリノス 0-2 柏レイソル
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
  26 田中 裕介
MF17 吉田 孝行(45分 → 14 狩野 健太)
  10 山瀬 功治
  35 河合 竜二
  32 山瀬 幸宏(68分 → 19 乾 貴士)
FW15 大島 秀夫(79分 → 20 ハーフナー マイク)
  11 坂田 大輔
SUB
GK21 高桑 大二朗
MF16 吉村 光示
   6 上野 良治
FW18 清水 範久

立ち上がりからコーナーキックではここ数試合で多く見られるファーの中澤が折り返す形でゴールを脅かすなど、攻め込んでいたが8分に柏のショートコーナーからポストに当たったシュートのこぼれ球を鈴木達也に決められ先制を許す。
失点後も序盤からの良い流れは続き、右サイドから吉田のクロスに二アに坂田が飛び込むがボールには触れず、田中裕介がペナルティエリアで1人かわしてからのシュートはサイドネットとあと1歩のところで得点が奪えない。特に田中裕介のシュートは以前の練習時にも同じような形でシュートを外し、中澤が「シュートは逆サイド狙おう」と声をかけていたことを思い出した。シュートを逆サイドを狙うということは、日本平での1失点目のようにGKに防がれてもゴール前に転がったり、今日の試合の後半に山瀬のシュートに大島が飛び込んだようにシュートミスしても味方が詰めることができる。実戦での失敗を糧に今後に期待したい。

そして、マリノスに関係する誰もが納得のいかないこの試合のターニングポイント。副審はオフサイドの
旗のあげ方でアピールし、当然オフサイドではないので主審は流した。相手DFがクリアミスをしたように見え、副審が旗をあげたので「クリアミスがオフサイドな訳ねーだろ!××!!」と私は頭の中で叫んでいた。ファールをアピールするのであれば旗をしっかりと横に振るべきで、このシーンに限れば主審よりも副審に問題があった。ただ、主審も問題のシーンよりも激しいボディコンタクトや後方からのタックルを流すなど判定に一貫性を欠いていたり、リスタートや壁の位置が厳密すぎて試合の流れを悪くしていたことも事実。

後半も前半同様に攻め込み、チャンスを作るが長らく言われ続けている課題であるクロスに精度を欠き、最後のところで合わないシーンが続いた。さらに3本の枠内シュートが味方に当たって相手ゴールキックになるなど、この試合の悪い流れやムードを象徴するようなシーンもあり、乾やマイクを投入しゴールを狙ったが、逆にロスタイムに追加点を奪われ敗戦。

それでも、流れもよくなり、相手陣内で試合が進む時間が増えていることは紛れもない事実。この後はアウェイ2連戦だが、次のホームゲームではトリコロールの選手が文句のつけようのないゴールでトリコロールのネットを揺らすことを期待したい。

2007/ 4/14 J1第6節 ジュビロ磐田 vs 横浜F・マリノス

ジュビロ磐田 1-0 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
  26 田中 裕介
MF14 狩野 健太(63分 → 17 吉田 孝行)
  10 山瀬 功治
  35 河合 竜二
  32 山瀬 幸宏(74分 → 13 小宮山 尊信)
FW15 大島 秀夫
  11 坂田 大輔
SUB
GK31 飯倉 大樹
DF16 吉村 光示
MF 6 上野 良治
FW27 斎藤 陽介
  20 ハーフナー マイク

週2試合ペースでの5連戦最後となる磐田戦。スタメンは変わらず、ベンチから乾が外れ、小宮山が今季初の公式戦メンバー入り。
前半、立ち上がりこそ狩野と隼磨で右サイドから崩したり、山瀬功治、坂田がドリブル突破を見せるなど、勢いを持って攻撃に出た。特に山瀬は開幕の甲府戦のゴールシーンを思わせるようなドリブルで相手守備を翻弄していた。しかし、20分過ぎに似たような形で山瀬がドリブルで突破したところで相手DFと接触し、山瀬が左足首あたりを痛めてしまう。暫しの治療後にプレーを続行したものの、明らかにプレーのキレがなくなり、チーム全体としても攻撃の迫力を失ってしまう。その後は左サイドからの攻撃に偏ってしまい、バランスまでも失いつつ前半終了。

後半、立ち上がりにスルーパスから坂田が抜け出したかのように見えたが、加速が乏しく相手DFに体を入れられカットされてしまう。すると9分にゴール前の混戦から成岡に決められ先制を許す。
その後、攻撃に出ようとはするものの、大宮戦同様に出足が鈍り、良い形でボールをキープすることができず、辛うじて失点こそ免れたが、太田のドリブルからカウンターを受けるシーンが多くなる。そんな中、狩野に代えて吉田、幸宏に代えて左サイドバックの小宮山を左のMFで起用し、何とか状況打開を試みたが流れは好転せず、0-1のまま試合終了。

試合後の監督コメントで小宮山の攻撃的な位置での起用は場当たり的なものではないということだったが、小宮山のプレーや周りの選手からも迷いや不慣れ感が伝わってきた。小宮山はセンターバックもこなす堅実な守備をベースとする選手だけに、今季は開幕前から何度か行われてきた選手の個性や特性を無視した監督の選手起用にはどうしても賛同できない。

2007/ 4/22 J1第7節 横浜F・マリノス vs 大分トリニータ

横浜F・マリノス 5-0 大分トリニータ
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
  13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行(72分 → 28 天野 貴史)
  10 山瀬 功治
  35 河合 竜二
  32 山瀬 幸宏
FW15 大島 秀夫(68分 → 20 ハーフナー マイク)
  11 坂田 大輔(68分 → 27 斎藤 陽介)
SUB
GK31 飯倉 大樹
MF16 吉村 光示
   6 上野 良治
  14 狩野 健太

1週間のインターバルを挟んだ一戦は立ち上がりから果敢に攻める。特に吉田がミドルシュートを立て続けに放ち、流れを引き寄せる。すると、右サイドの山瀬功治からのクロスを坂田が頭で合わせ、シュートは枠内に飛んだが、ここは相手が必死にクリアして得点につながらない。それでも11分にタッチライン際でしぶとくボールを残した隼磨が幸宏にパス。幸宏は中に切れ込みながらDF1人を交わしてシュート。これがGKの手先をすり抜け先制。
しかし、直後のプレーで中澤のバックパス処理が中途半端になったところを相手FWにさらわれ、フリーでシュートを打たれるが、これは枠を逸れ失点を免れる。
その後、再び流れを引き寄せ、小宮山のクロスからの坂田のヘディングは惜しくも枠を逸れる。そして41分、大分のバックパスにプレスをかけにいった大島がボールを奪い、パスを受けた坂田がゴール左隅に左足で蹴り込み追加点。2-0として前半終了。

後半、ビハインドを追う大分のDF深谷が流れの中から右サイドから攻め上がる場面が何度か見られ、どことなくバランスを崩しているようであった。
そして54分、右サイド吉田のクロスに大島が頭で競り、ボールが流れたところをフリーの坂田が右足で流し込み追加点。58分には攻めあがった河合がボールを受けると、ドリブルでDFを交わし右足で決め4-0。
すると68分、FW2人を変えマイクと陽介を投入。これまでリードされた終盤での投入がほとんどだったマイクをリードした段階で長い時間をプレーさせる判断は納得。そして、72分には吉田との交代で天野が遂にリーグ戦デビューを飾る。その天野はそのまま吉田のいた右サイドハーフに入った。

そして終盤の88分。左サイドでキープした幸宏が中央の功治へパス。これを浮かせ気味にトラップし、左足で思い切りシュート。GK西川の手を弾いてネットを揺らし5-0。守備でも無失点で乗り切り、あの鳥の集団が舞う中での2003年清水戦以来(その試合も坂田が2得点)の5得点で快勝した。

金曜日の紅白戦は1本目のメンバーを入れ替えて行っていただけに、5連戦で頑ななまでに固定したメンバーを連戦明けに崩すのではないかと不安だったが、ベースは継続したうえで結果として快勝したので、このベースを維持しながら、選手のコンディションや修正点を見極めながら戦ってほしい。

この日2点目を決めた坂田河合のゴールは手荒く祝福
5点目を決めた山瀬はゴール裏へ山瀬を祝福する選手達
リーグ戦デビューを飾った天野ゴール後のパフォーマンスで5回登場のマリノスケ

試合終了後、安堵の表情を見せる小宮山

リーグ初先発の小宮山とリーグ戦デビューの天野

マン・オブ・ザ・マッチの幸宏はインタビューが即席誕生会

坂田のインタビュー中は律儀に壇上から降りちゃった幸宏

2007/ 4/28 J1第8節 アルビレックス新潟 vs 横浜F・マリノス

アルビレックス新潟 0-6 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
  13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行
  10 山瀬 功治
  35 河合 竜二
  32 山瀬 幸宏(76分 → 14 狩野 健太)
FW15 大島 秀夫(70分 → 20 ハーフナー マイク)
  11 坂田 大輔(76分 → 27 斎藤 陽介)
SUB
GK31 飯倉 大樹
MF28 天野 貴史
  16 吉村 光示
   6 上野 良治

心配された雨も午前中で止み、やや気温が低めの中での新潟戦。アップ中、吉田が左足ふくらはぎあたりをドクターとトレーナーに診てもらう場面があり、痛めてしまったかと思われたが、そのまま出場。

前半の立ち上がりはシュートを何本か打たれるなど、新潟がやや優勢の立ち上がり。それでも、次第に攻撃に転じたが、幸宏のスルーパスから抜け出した吉田がGKとの1対1でのシュート、コーナーキックがファーに流れたところをフリーとなった中澤のシュートはいずれもGKの好セーブに阻まれ、チャンスをものにできない。ただ、その後の新潟の攻撃は中盤でボールに常に2人がプレスをかけ速攻を許さず、サイドからのクロスには中澤、勇蔵を中心に弾き返し、10分以降はピンチがほとんどなかった。
そして37分、ペナルティエリア付近でボールを受けた幸宏のシュートが決まり先制。直後にはゴール前へのロングボールに対し、相手DFの手に不自然な形で2度ボールが触れたように見えたが、それがPKの判定となり、それを功治がきっちり決めて2-0。



序盤のチャンスをGKの好セーブという相手に流れをもっていかれかねない試合展開の中で2点を奪い、絶好の形で前半終了。

後半、前半の良い流れのまま立ち上がりから攻め、47分に後方からのロングボールを大島が競り、流れたところを吉田が拾い、DFに詰められながらしぶとく決めて3-0。

こうなると攻撃の勢いは増し、51分にゴール前でパスを受けた坂田が決めて4-0。直後に新潟のエジミウソンにゴール前の混戦からシュートを打たれたが、これは枠を逸れ、新潟は勢いを完全に失う。すると56分には右サイドでのボールキープの大外をセンターバックの勇蔵がオーバーラップしたところでボールを受け、ゴール前にグラウンダーのクロス。そこに走りこんだ坂田がうまく合わせて5-0。69分には中央でパスを受けた山瀬がミドルシュートを放ち、GKが弾いたところを大島が蹴り込み6-0。
ここで、大島の得点待ちだったかのようにマイク、76分には幸宏、坂田に代え狩野、陽介が投入される。陽介は得点こそなかったが隼磨のクロスに飛び込んだり、小宮山のクロスを頭で合わせるなど良い形も作り、終盤には狩野がエリア内で粘って突破をみせるなど、最後まで追加点を狙う姿勢を見せ続けた。
守っても終盤の新潟の攻撃を無失点で守りきり、2試合連続の完封。ビッグスワンでは2004年の3-1以来となる新潟の地で勝利を手にした。

アップ中に足を気にしていた吉田功治の頭を幸宏もポンポン
吉田のゴールで3-0坂田のゴールで4-0
2試合連続の2得点で5-0大島もゴールで6-0

2007/ 5/ 3 J1第9節 横浜F・マリノス vs 川崎フロンターレ

横浜F・マリノス 2-1 川崎フロンターレ
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
  13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行
  35 河合 竜二
  10 山瀬 功治
  32 山瀬 幸宏
FW15 大島 秀夫
  11 坂田 大輔(88分 → 27 斎藤 陽介)
SUB
GK31 飯倉 大樹
MF28 天野 貴史
  16 吉村 光示
   6 上野 良治
  14 狩野 健太
FW20 ハーフナー マイク

メンバーはここ数試合、完全に固定されたラインナップでスタート。4分、哲也からのフィードを大島が競り、弾き返されたところを吉田が頭で前方に送る。そこで相手DFが大島のチェーシングを嫌いGKに頭でバックパス。そのボールに勢いがつかず、GKが触れる一歩前で大島が頭で押し込み早い時間帯で先制点を奪う。

その後も試合間隔が4日空いたこともあり、激しいプレスで相手に自由な形でボールキープさせない。1攻撃面では左サイドでボールを受けた小宮山が中に切れ込んでから右足でミドルシュートは左ポスト直撃。相手2,3人に囲まれながらドリブル突破した山瀬のシュートは右ポスト直撃と積極的に攻撃するものの、追加点を奪うまでには至らず前半終了。

後半も前半と同じような展開となり、幸宏が鋭いフェイントからDFを交わしてシュートを狙うなど、試合の主導権を握る。66分、山瀬の突破からFKを獲得。ここでベンチからスカウティング情報を伝えられたであろう中澤が山瀬に耳打ち。そして山瀬がニアサイドに放ったシュートがゴールに吸い込まれ追加点。これと似たシーンは大分戦でも勇蔵が山瀬に耳打ちし、山瀬のFKがGKの逆を突き惜しいシーンがあった。こういったしたたかな分析や戦略は頼もしい。

その後も勢いを保ったまま攻撃をしかけるが、隼磨からのグラウンダーのクロスに合わせた坂田のシュートは枠を外し、河合のインターセプトからボールをフリーで受けた大島はより確実な坂田へのパスを選択するがクリアされるなど、チャンスはあるものの追加点は奪えない。
すると77分にジュニーニョからのパスを受けたマギヌンに決められ1点差となり、試合の緊迫感が一気の増すが、ジュニーニョの突破はシュミレーションとなるなど、苦しい時間を最後まで耐え抜き3連勝。

近頃、大分がコンディション不良だった、新潟戦ではラッキーなPKがあったなど、何かと勝利に水を差す論調が見られた。今回も川崎が主力を欠いていたことを理由にそういう話が聞こえてくるかもしれない。しかし、運や偶然で3連勝はできない。何より、選手の戦いぶりを見ている者であればそういった言葉が出てくるはずがない。そういった雑音を封じるためにも、選手の頑張りに期待し、サポーターはスタジアムで後押しをしましょう。

追加点の場面、何故か勇蔵が袋叩きに今日のMOMは大島

2007/ 5/ 6 J1第10節 鹿島アントラーズ vs 横浜F・マリノス

鹿島アントラーズ 1-1 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
  13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行(75分 → 28 天野 貴史)
  35 河合 竜二
  10 山瀬 功治
  32 山瀬 幸宏(68分 → 14 狩野 健太)
FW15 大島 秀夫
  11 坂田 大輔(82分 → 9 鈴木 隆行)
SUB
GK31 飯倉 大樹
DF 4 那須 大亮
MF 6 上野 良治
FW18 清水 範久

午前中は時折小雨になることもあったが、開門直後から雨足が強まり、試合終了まで降り続いた。
スタメンこそ変更はなかったものの、戦列を離れていた那須、ベンチ外が続いていたジロー、鈴木の3名がベンチ入り。

前半、鹿島が優勢な立ち上がり。早い段階でロングボールを入れ、そこに本山が流れて起点となり攻撃を仕掛けてきたが、それを跳ね返し、徐々に流れを引き寄せる。すると、21分にゴール前でパスを受けた吉田がDFを1枚交わし、右足で決めて先制。

その後、ここ数試合のように効果的なプレスがかからず、相手にボールをキープされることも多くなったが、鹿島MFダニーロのところで攻撃がペースダウンするため、決定的なピンチは作られるまでには至らず。
一方の攻撃面では、右サイドでキープし、幸宏や河合を介したり、直接のサイドチェンジから小宮山や坂田が左サイドでボールを受けることが多かったが、最後のクロスに今一歩精度を欠き、こちらも決定機は作れぬまま前半終了。


後半も前半同様に鹿島ペースでスタートする。すると7分にセカンドボールを拾われ、中後のミドルシュートが決まり同点とされてしまう。
すると、相手ペースで試合が進む時間が多かったせいか、中盤の運動量やサイドバックの攻撃参加に迫力を欠き、全体的にトーンダウン。そこで幸宏に代えて狩野、吉田に代えて天野を相次いで投入する。しかし、天野こそ持ち前のアグレッシブさを発揮しようと積極的に動いたが、狩野は運動量が少なく、ボールを持っても詰められてしまい、期待から程遠い出来であった。
その後、坂田に代えて鈴木を投入。終了間際にはその鈴木がゴール前でシュートを放つが、枠を大きく超え、1-1で試合終了。

今シーズン、ここまで休みなしで戦ってきた山瀬も、好調を維持しているため本人も出続けたい気持ちもあるかもしれないが、やはり疲れは隠せない動きだった。試合の重要性、スケジュール的なことを考慮し、相手もメンバーを入れ替えてくるであろう9日の柏戦は休ませるべきである。

2007/ 5/12 J1第11節 横浜F・マリノス vs 名古屋グランパスエイト

試合の分岐点

今日の試合はこのシーンで決まってしまった。水曜日も休まず出場したDFラインは疲労による集中力の欠如からか簡単に裏を取られたり、判断が遅れ間合いを詰められ、簡単にボールを失いピンチを招くシーンが多かった。それが後半の早い時間にPKを獲得し流れを引き寄せるチャンスだったが、これで相手に勇気を与えてしまった。
一方の攻撃陣は水曜日を休養に充てたはずが運動量が上がらず、特に大島は波になれないまま試合が終わってしまったという印象。
坂田も相手の杉本が裏を狙ったり、スペースでボールを受けることで脅威になっていたように、スピードを生かすもらい方をしてほしい。今シーズン、坂田の得点の多くがそういう形である。逆にサイドに流れてボールを受けても対面のDFをドリブルで切り崩すシーンはほとんどない。

そしてベンチワーク。休養十分のツートップで最後までプレーさせたかったのかもしれないが、交代枠を1つ残したまま試合終了では見ている方としては煮え切らない。連戦で疲れている勇蔵をパワープレーで前線に上げるぐらいなら公式戦初得点で意気が上がっているマイクを投入するなり、打てる策は講じてほしい。負けている試合でバランス云々言っていられない。
それ以前にベンチにアクシデント以外で途中出場の可能性は限りなく低いセンターバック2人を入れておく必要性を感じない。
また、6日に鹿島の中盤を省略したサッカーに攻略されたが、今日も同じようなサッカーの前に何もできなかった。今後、調子の上がらないチームやアウェイで最低でも敗戦は免れたいチームは、守備的で同じようなサッカーをしてくることが予想される。理想を言えば今日の試合でもそういう状況を打開するサッカーをしてほしかったが、少なくとも次節以降はそれを打開できるような戦術を構築してほしい。
逆に次節以降も同じような形で苦戦するようであれば現システム、戦術の限界かもしれない。

2007/ 5/20 J1第12節 横浜F・マリノス vs FC東京

スタメンの右サイドバックに那須が入り、ベンチのGKは高桑に戻り、松田がベンチ外。前節の試合展開といい、状況は開幕直後に戻りつつあった。

前半開始直後、右サイド那須からのクロスに大島が飛び込み、良い形を作る。10分過ぎには吉田が相手ボールを奪い、功治がゴール前の大島に送り、大島からのパスを受けた坂田がシュートを放つがGK正面。直後にも左サイドを駆け上がった小宮山が中に切り替えしてミドルシュートを右足で狙ったが枠を左に外れる。
終盤には左サイドでボールを受けた功治からのクロスを坂田が左足で合わせたが、これも力なくGK正面と何度か良い形は作ったものの、シュートに正確性を欠き無得点。
守備面では前節多少精細を欠いたCB2人も出足よくインターセプトができたり、何度かあったカウンターのピンチを凌ぎ前半終了。

後半、前半のような形を作れず、やや相手にペースを握られる展開となる。
それでも15分過ぎにペナルティエリア内でロングボールを受けた吉田がシュートを放つが枠を外れる。直後の17分に吉田に代えて狩野を投入するが、決定機こそ少ないものの相手寄りの試合展開は続く。
すると、24分に途中出場直後の福西にロングシュートを決められ先制を許す。
その後もシュートを続けて打たれ、攻めあがった勇蔵のシュートもミートせずGKにキャッチされ、なかなか活路を見出せない。
74分には幸宏に代えマイクを投入し、坂田を中盤に下げたが、これが機能する可能性が低いことは明白で、7分後の81分に坂田に代えて乾を投入する始末。
唯一のチャンス、終盤にマイクの競ったボールを大島が押し込んだがオフサイドとなり0-1で試合終了。

まず、右サイドバックで出場の那須は、立ち上がりこそ高い位置まで上がり、クロスを上げるなどしていたが、徐々に後手に回り、後半は攻撃に絡むことがほとんどなかった。左サイドで起用された時もボール処理にもたついたり、ロングボールをバウンドさせて相手に奪われるシーンが目に付いたが、この日も同じシーンが何度かあった。特に、簡単に前線に蹴ることができる場面で手数をかけ、結果としてタッチラインに逃れるプレーしかできなかった場面では大島が縦に出すようなジェスチャーで怒りを露にしていた。3-0で勝利したナビスコ予選の柏戦も決してよいプレーではなかった。これは個人批判と取られても仕方ないが、左サイドでも同じようなプレーだった選手を適性を無視して起用し、同じ失敗を繰り返している采配批判である。

さらに、スタメン以上に今回も試合中のベンチワークが理解できない。最初の交代は前節、PKを誘う飛び出しという好プレーを見せた吉田を直後に交代させたが、今回も縦への飛び出しで後半初めてのチャンスを作った直後に交代とプレーや試合展開とは無関係に予め予定していたかのような選手交代。
そして、マイクは幸宏に代え、坂田を中盤に下げた。意図としては3トップのような形にしたかったが、疲れや押し込まれる展開で下がってしまったかもしれない。ただ、そこで打った手が坂田に代えて乾の投入。乾の持ち味はドリブル突破やパス。残りわずかな時間でマイクに当てるパワープレーを選択したのであれば、セカンドボールやこぼれ球に飛び込んだり、ゴール前で勝負できる選手を投入すべきであったように思える。そして、そういうプレーができ、少ない時間で結果も残している陽介をベンチ外にしている。

選手の頑張りはスタジアムでも感じるだけに、そういった部分を台無しにする選手起用や采配には納得いくわけもなく、我慢の限界である。

2007/ 5/27 J1第13節 浦和レッズ vs 横浜F・マリノス

浦和レッズ 1-1 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  30 栗原 勇蔵
  22 中澤 佑二
   4 那須 大亮
MF35 河合 竜二
   6 上野 良治
 17 吉田 孝行(79分 → 8 マルケス)
 10 山瀬 功治
FW15 大島 秀夫(85分 → 20 ハーフナー マイク)
 11 坂田 大輔
SUB
GK31 飯倉 大樹
DF 3 松田 直樹
 26 田中 裕介
MF32 山瀬 幸宏
 14 狩野 健太


前半、暑さもあってか、立ち上がりこそ互いにスロースタートとなった。だが、徐々に浦和のチャンスが増える。20分過ぎにはゴール前で与えたFKからワシントンに頭で合わされたが、ボールはポスト直撃で失点を免れる。直後にもゴール前で抜け出た小野が哲也と1対1となるが、ここは哲也がファインセーブ。そこからのカウンターで右サイドでボールを受けた坂田がやや遠目から思い切ってシュート。これはGKに弾き出される。前半の見せ場はその程度で、互いに少ないシュート数で前半終了。
前半、小宮山の出場停止で左サイドバックに入った那須を狙って相手GKがフィードを蹴り込んできた印象で、数多くの競り合いで何度かほころびを見せたが、ここ2試合の右サイドに比べればまずまずのプレー。ただ、ファールスローを取られるなど、初歩的なミスはいただけない。


後半開始早々、左サイドから受けたボールをワントラップから坂田が左足で狙ったシュートはGKがセーブ、そこを繋いでクロスから大島のヘディングシュートは枠を外れる。
そして5分、左サイドでボールを受けた山瀬が左足でロングシュート。大きな弧を描いたボールが右サイドネットに決まり先制。

直後にも山瀬がミドルを狙うが枠を外れる。すると浦和が反撃に転じ、左右で起点を作られ、クロスを簡単に入れられるシーンが多く、何度かシュートも打たれるものの跳ね返していた。
しかし、ゴール前でファールを与える場面も増えていた66分、フリーキックをゴール前で合わされ同点とされてしまう。
ただ、直後にゴール前に抜け出た吉田のシュートは力なくGK正面となったものの、失点後も相手に主導権を譲らず、2点目を奪いに攻撃に出る。とはいえ、連戦の疲れに加え暑さのため、プレーに精度が伴わず、シュートもなかなか枠に飛ばない。選手交代で流れを一気に引き寄せることも期待していたが、はじめの選手交代は79分。吉田に代わりマルケスが中盤の右サイドに入る。
そのマルケスは中盤でキープし、サイドバックが上がってきたところにボールを出したり、自らサイドに流れてクロスを上げるなど攻撃にリズムをもたらす。そして85分には大島に代えマイクを投入。
だが、サイドから隼磨の2本と那須の1本はいずれも可能性を感じないクロスボールでシュートに結びつかない。クロスボールの精度についてはかなり前からの課題ではあるが、少なくとも直接タッチラインを割るような形は避けてほしいところ。終盤には浦和に何度かシュートを打たれたが何とか凌ぎ、1-1で試合終了。

後半、サイドで起点を作られた場面、両サイドが相手のドリブルを遅らせることもできないままズルズルと下がり、余裕をもってクロスを上げられることが多かった。監督もベンチで不満を露にしていたようだが、前半にもそういう場面が何度かあったので、ハーフタイムや後半の早い段階で的確な指示や修正をしてほしいところ。
また、今日の4-4-2のシステムは、顔ぶれこそ多少異なるものの、昨季終盤に形になりかけたシステムと同じ形である。遠回りして結局は元に戻った印象は拭えない。


試合後の選手達

前座試合での攻防執拗な抗議は見苦しい

■前座試合
浦和レッズジュニアユースU-13 3-1 横浜F・マリノスジュニアユース追浜U-13
得点者:伊池
【メンバー】
GK16北村
DF9小松、20前田
MF3伊池、4飯田、11篠田、19林、21村原、22米田
FW5伊藤、15戸邊
リザーブ(※選手交代不明)
GK1入澤
DF2秋月、6太田、7栗林、18橋本
MF8栗原、13高梨、14田中、17中島
FW10斎藤、12杉山

2007/ 6/ 9 J1第14節 横浜F・マリノス vs ジェフユナイテッド千葉

横浜F・マリノス 1-0 ジェフユナイテッド千葉
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 4 那須 大亮
 30 栗原 勇蔵
 22 中澤 佑二
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行※72分に2枚目の警告で退場
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏
FW15 大島 秀夫(80分 → 6 上野 良治)
 11 坂田 大輔(87分 → 27 斎藤 陽介)
SUB
GK21 高桑 大二朗
DF 3 松田 直樹
 28 天野 貴史
MF19 乾 貴士
FW20 ハーフナー マイク


布陣は前節のダブルボランチから、ダイヤモンド型の中盤に戻し、出場停止明けの小宮山とともに、幸宏がスタメン復帰。右サイドバックには那須が入った。


前半、開始早々に相手のクリアミスを拾った吉田が右足で蹴り込み先制かと思われたが、これがオフサイド判定となり、吉田や山瀬が抗議したがノーゴールとなってしまう。
その後は右サイドが当たることもなく、シュートコースも消すことが出来ないままズルズルと下がり、ミドルシュートを打たれるなど守備面でもろさを見せたが、中央で中澤と勇蔵が体を張って相手攻撃を跳ね返す。
10分過ぎには大島がやや遠目から左足で、20分過ぎには小宮山が左サイドから切れ込んでの右足で放ったミドルシュートはいずれも枠を捕えることが出来ない。
40分には左からのFK、山瀬からのボールを大島が頭で合わせたがクロスバーに弾かれ、そこに走りこんだ勇蔵が頭で押し込むがバーの上に外れ、得点を奪えずに前半終了。


後半、立ち上がりすぐに幸宏がドリブル突破から左足でのシュートはゴール右に外れる。直後に千葉のカウンターから新居が抜け出したところに哲也が飛び出してセービング。その際、接触があり哲也が痛むが、幸い大事には至らずプレー続行。
5分過ぎには右サイドでボールを持った吉田のミドルシュートもクロスバーに弾かれ、坂田がトラップしてシュートを放ち、大島がコースを変えたがオフサイドとなる。その後も小宮山の突破からのクロスに坂田が頭で合わせたが、力なくゴール右に逸れる。
そして68分、再び左サイドを突破した小宮山のクロスがファーに流れたところに吉田が走りこみ、左足で決め先制。

しかし、間もない72分、相手を後ろから引っ掛けた吉田が2枚目の警告で退場処分となる。1人少なくなり、しばらくは吉田のいたスペースを坂田がカバーする形をとったが、80分に大島に代えて上野を中盤に入れ、坂田をFWの位置に戻す。そして、中盤は河合が底で、上野と幸宏も下がり目でスペースを埋めるような形となった。42分には疲れの見える坂田に代えて陽介を投入し、逃げ切りを図る。
だが、ロスタイムに入ったあたりで相手の左からのクロスを黒部に頭で押し込まれ同点かと思われたが、オフサイドの判定でノーゴール。そのまま1-0で試合終了。約1ヶ月ぶりの公式戦勝利。


右サイドについては、前節と同様の課題が浮き彫りとなった。だが、前節同様に試合中に特に修正することなく90分通しているため、指揮官は問題なしと判断しているのかもしれない。吉田は今日の退場で次節出場停止だが、今日の試合では吉田が豊富な運動量で右サイドの深い位置まで戻って守備でも貢献し、難を逃れていたシーンも多かっただけに、次節に大きな不安が残る。
また、1週間のインターバルがあるとはいえ、1人少ない状態で交代枠を1つ残していることに不満が残る。ロスタイムに入ってからの時間稼ぎ的な交代でも構わないので、したたかな戦いを望みたい。


最後に、際どい判定だったかもしれないが、昨年の日産スタジアムでの対戦でも終了間際にロングボールをマイクが落とし、ジローが決めて辛うじて追いついた試合、そして今日と試合後も執拗な抗議を続ける千葉の選手達はいかがなものか。

接触プレーで痛んだ哲也退場となり退く吉田
マン・オブ・ザ・マッチは哲也試合終了後も抗議を続ける千葉イレブン

2007/ 6/16 J1第15節 清水エスパルス vs 横浜F・マリノス

0616.jpg清水エスパルス 1-1 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 4 那須 大亮
 30 栗原 勇蔵※74分に2枚目の警告で退場
 22 中澤 佑二
 13 小宮山 尊信
MF14 狩野 健太(70分 → 7 田中 隼磨)
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(85分 → 26 田中 裕介)
FW27 斎藤 陽介(64分 → 20 ハーフナー マイク)
 11 坂田 大輔
SUB
GK21 高桑 大二朗
DF 3 松田 直樹
MF 6 上野 良治
MF19 乾 貴士

この日は吉田が出場停止で、その位置に狩野が入り、右サイドバックは那須。大島が腰痛で欠場のため、坂田と陽介の2トップでのスタートとなった。


前半、初めは主導権を握った。右サイドでボールを受けた那須が相手を1人かわして上げたクロスは力なくGKへのパスのようなボールとなってしまう。直後にはペナルティエリア付近から狩野がシュート、GKがファンブルしたボールに陽介が飛び込むが、GKが間一髪でセーブ。山瀬のミドルは枠を越える。小宮山が左サイドをドリブルで崩し、上げたクロスをファーで合わせた陽介が頭で叩きつけたが、大きくバウンドしたボールが枠を超えて序盤のチャンスをものにできない。
すると、流れは徐々に清水へ傾き、ゴール前でのセットプレーやコーナーキックを連続して与えてしまう。藤本のFKは枠を越え、コーナーキックから岡崎のヘディングはゴール左隅に直撃と失点こそ免れたがピンチの連続。
それでもピンチを切り抜けると再び流れを引き寄せ、FKから幸宏のボールが風に乗って伸び、誰も触らずにポスト直撃、山瀬のFKもGKが弾いてコーナーキックになるなど、こちらも数多くのセットプレーのチャンスがあったが、得点できずに前半終了。


後半、立ち上がりこそ互いにシュートの少ない互角の展開となったが、63分にコーナーキックから頭で決められ0-1。失点直後、陽介に代えてマイクを投入。しかし、その後も清水に押し込まれる展開が続く。失点と同じような形で頭であわされたが、これは哲也がセーブ。
そして70分、狩野に代えて隼磨を投入し、右サイドの活性化図ろうとしたが、74分に勇蔵がこの日2枚目の警告で退場となってしまう。そのため、那須がセンターバックに入り、隼磨が右サイドバックに下がった。この時、1人少ないため結局は攻め手を欠いて相手に逃げ切られるかもしれないが、右サイドバック起用で右サイドの攻撃が手薄になり、左右のバランスをも崩していた那須がセンターバックに回ったため、バランスが良くなりチャンスが来るかもしれないという微かな望みが現実となり、87分に右サイドの隼磨からのボールをマイクが頭で落とし、ゴール前でで混戦となったところでオウンゴールが生まれ1-1の同点となる。
その後、清水は負傷が完全に癒えていないチョを投入するなど、勝ち越しを狙って動いてきたが1-1で試合終了となった。

06161.jpg

まず、スタメン出場の陽介は記録上はシュート1本だが、こぼれ球に飛び込んだり、前半にもう1本シュートを放っており(浮き球をボレーシュートがミートしなかったため記録上はノーカウント?)、積極的なプレーで個人としてはまずまずの動きだった。だが、チーム全体を見た場合に、流れの悪い時間帯にこれまで大島の役割の1つであったポストプレーやボールキープをする選手がいなかったので、悪い流れをなかなか断ち切れなかった。

次に勇蔵の退場は、直前にも小宮山がファールを取られた後、ボールをピッチ外に大きく蹴り出した場面は本来であれば警告だが、主審の注意のみで命拾いをしていたこと、警告を出された後、守備位置に戻るような素振りを見せたが、レッドカードを出されて自分が2枚目の警告だったことに気づいたような感じだったので、もう少し冷静にプレーしてほしい。また、前回の吉田に続き、那須と並んだ守備位置の選手が、右サイドバックの守備範囲で同じようなファールで2枚目の警告を受けていることは偶然かもしれないが、那須の不安定なプレーが影響しているように思える。

また、試合を通じて右サイドからの攻撃が少なく、吉田に代わって入った狩野自身のプレースタイルや運動量の影響もあるが、やはりサイドバックの那須が押し上げたり、追い越す動きをしないと個人で打開するには限界がある。逆に、ナビスコカップのアウェイ柏戦、リーグ戦の千葉戦、今回の清水戦と前半の立ち上がりに那須が高い位置でプレーすると右サイドからの攻撃も機能している。
言い換えれば、時間の経過とともに尻つぼみの印象が強いので、貴重な交代枠を割いてまで本職がサイドのプレイヤーを投入するのであれば、右サイドバックにも1試合を通じて運動量を保ち、上下動を繰り返すことのできる本職の選手のスタメン起用が望ましい。

0616003.jpg0616004.jpg
同点のきっかけとなった隼磨からのボールシュートはなかった坂田
061602.jpg

2007/ 6/20 J1第16節 横浜F・マリノス vs ガンバ大阪

0620横浜F・マリノス 0-0 ガンバ大阪
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  3 松田 直樹
 22 中澤 佑二
 13 小宮山 尊信
MF 6 上野 良治
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(45分 → 20 ハーフナー マイク)
FW17 吉田 孝行
 11 坂田 大輔(78分 → 27 斎藤 陽介)
SUB
GK31 飯倉 大樹
DF 4 那須 大亮
 26 田中 裕介
MF14 狩野 健太
 19 乾 貴士

注目のディフェンスラインは松田がリーグ戦今季初先発。右サイドバックには隼磨が入った。中盤もダブルボランチに河合と上野、前目の位置に功治と幸宏、2トップが坂田と吉田という布陣。


前半、チームのファーストシュートは中澤。セットプレーのクリアボールを拾って上げたクロスが跳ね返されたところを中澤がミドルシュートを放ったがゴール左に逸れる。しかし、その後はG大阪ペースで試合が進む。ペナルティエリアから至近距離での相手フリーキックでは、遠藤のシュートは2本とも枠を越える。その後、播戸にうまく反転され、哲也と1対1の場面では、哲也がシュートをブロックし、決定的なピンチを防ぐ。終盤になって上野が左足で狙ったミドルシュートは右に逸れ、山瀬のフリーキックも壁に当たり、0-0で前半終了。

序盤は、前節は前線にボールは収まらなかった反省を踏まえてか、キープ力に長ける吉田の前線での起用が奏功してか、吉田にボールが収まる場面も見られたが、中盤の力量で上回る相手に徐々にペースを握られ、苦しい時間が長く続いた。攻撃的な位置で起用された幸宏も後手に回る場面が多く、幸宏、河合、上野の3ボランチのような陣形になってしまっていた。


後半、前半の問題点を修正すべく、システムはそのままで、幸宏に代えてマイクを投入し、吉田を中盤に下げた。
すると、後半は序盤からペースを握る。相手ディフェンスラインの裏でボールを受けたマイクが角度のないところから左足でシュート。GKが弾いたところを坂田が詰めるがDFに当たりコーナーキック。
10分過ぎにも左からのクロスからマイクが左足ボレーで狙うが枠を越えてしまう。直後には中央を突破した吉田が右足で狙うが、これもGKのセーブされコーナーキックとなる。小宮山が中に切れ込んでのシュートもDFに当たりコーナーキック。こうして得たコーナーキックのチャンスでは相手DFにことごとく跳ね返され、チャンスで決めることが出来ない。
残り10分あたりから、G大阪もゴールを奪うべく攻撃を仕掛けてきたが、シジクレイのシュートはゴール右に逸れ、二川のシュートもポスト直撃で失点を免れるなど、互いに得点できないままスコアレスドローとなった。


試合を通して、相手のロングボールへの対応の場面ではセンターバックの2人が的確な位置取りと強さで相手の攻撃を跳ね返していた。また、松田は正確なロングボールで起点となっていた。実戦感覚という点を差し引いても今日のプレーを見る限り、現時点でのセンターバックのファーストチョイスは今日の2人ではないか。
攻撃面では、後半になってシュートで終わるシーンが多くなり、得点まであと1歩のところまで来ていた。久々に先発出場の隼磨も前半に突破から相手DFへの警告を誘発したり、後半も運動量が落ちずに高い位置でボールを受けるなど、右サイドからの攻撃も機能した。次節以降、今日の後半のような戦いができれば結果に繋がるように感じた。

06200005.jpg松田
試合前の松田試合終了後の松田
062001.jpg 試合後の選手達(写真は全てクリックで拡大表示できます)

2007/ 6/24 J1第17節 大宮アルディージャ vs 横浜F・マリノス

0624.jpg大宮アルディージャ 0-0 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
  3 松田 直樹
 22 中澤 佑二
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(45分 → 4 那須 大亮)
FW20 ハーフナー マイク(45分 → 15 大島 秀夫)
 11 坂田 大輔(87分 → 27 斎藤 陽介)
SUB
GK31 飯倉 大樹
DF30 栗原 勇蔵
 26 田中 裕介
MF 6 上野 良治

062401.jpg

センターバックは前節に続き中澤と松田がコンビを組み、中盤はダイヤ型に戻した。2トップは坂田とマイク。ベンチには出場停止が解けた勇蔵、那須、裕介のディフェンシブな選手が多く、一方で前節から攻撃的な狩野、乾がメンバー外という多少不可解な構成となった。


前半、序盤に大きなピンチを迎える。相手右サイドのクロスからエニウトンが頭で合わせる。これを哲也が弾き、そこを詰めたシュートを哲也が再びブロック、こぼれ球から再度シュートを打たれるがここは中澤がブロックしてピンチを逃れる。これ以降、試合終了まで大きなピンチはなかった。
攻撃面では序盤こそボールが収まらず苦戦したが、徐々に形になり始める。14分には坂田がやや遠い位置から狙うが右に逸れる。36分には後方からのロングボールを胸トラップからうまく反転したマイクのシュートも右の逸れる。終了間際の山瀬のシュートも右に逸れ、0-0で前半終了。


後半、一気に2人の選手交代。前節同様に幸宏を前半で下げ那須を右サイドバックに配置し、隼磨を右サイドハーフに上げた。また、マイクに代え腰痛の癒えた大島を投入。試合後のコメントでは前半の内容にかなり不満のようだったが、前述の通り、前半は悪いなりに徐々に形にもなりかけていただけに、ハーフタイムのある程度は冷静な状態でアドバイスを与えたり、気持ちの問題であれば叱咤激励をし、後半に仕切り直し、それでも改善されないのであれば早い段階の選手交代など、違うやり方もあったように思える。
清水戦までは全く機能しない右サイドの構成を数試合も続けたこととの矛盾も感じた。


後半は立ち上がりに那須が右サイドからゴール前にクラウンダーのクロスを入れ、そこに坂田が走り込みがうまく合わず枠を逸れる。このプレーで相手GKが左肩を負傷し途中交代。
この後は互いに長い時間シュートに結びつかない展開が続く。特に大宮はコーナーキックの守備では前線に選手を残さず、ペナルティエリアに11人全員が戻って守備をするなど、カウンター攻撃までも封印して失点の回避を選択するなど、ゴール前を固め、攻撃は前線の4人という場面が多く、なかなか切り崩せない。10分過ぎには哲也が左太ももを痛めてしまう。幸いテーピングを施してプレーを続行。

それでも60分過ぎにクロスのクリアボールを拾った坂田がフリーでシュート。これはGKの好セーブでチャンスを逃す。その後もペナルティエリア付近から坂田が右足で狙うが枠を捉えられない。
一方の80分過ぎに小林慶がロングシュートを狙うが枠を超える。この場面でボールを見送った哲也が着地の際に同じ箇所に再び違和感を感じたようでベンチでは飯倉が出場の準備を始める。ここでもプレー続行となったが、結果的に選手交代に踏み切れず、87分になって陽介を投入するが、時間が短く見せ場は作れない。3度あったGKの治療で長く取られると思われたロスタイムも3分と短く、終了間際にコーナーキックから中澤が頭で合わせたが枠を超えてしまう。
その後のゴールキックではスコアレスの状態にも関わらず相手GKがゆっくりとボールをセットし、陽介が苛立ちを見せるなど、大宮が攻めの姿勢を見せないまま試合終了。


後半はお互いに勝ちに行く展開となればチャンスも多く生まれるのではないかという望みを持って迎えたが、大宮が負けないサッカーを選択したため、守備を固める相手を崩せず無得点に終った。この試合に限らず、引いた相手から得点を奪えないことが課題となっており、得点力不足にも不満は絶えないが、今日に限っては大宮のサッカーにも不満を覚えた。確かに今日の試合に敗れれば17位になる一方で、引き分け以上で降格圏を脱出という状況だったが、勝ちにいかずに引き分けという結果は大宮サポーターに失礼ではないか。

哲也は1度目の治療で施したテーピングをプレー途中に自ら取ったため、太ももの打撲かと思われたが、2度目は着地で違和感を覚えて足を引きずっていたため、状態次第では次節の出場に影響が残るかもしれない。

062402.jpgセットプレーの守備で11人全員がペナルティエリア内に戻った大宮

0624002.jpg0624003.jpg
負傷し治療を受ける哲也腰痛が癒え復帰した大島

2007/ 8/11 J1第19節 横浜F・マリノス vs 横浜FC

PRIDE
※クリックで拡大表示可能

横浜F・マリノス 8-1 横浜FC
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 22 中澤 佑二
  3 松田 直樹(67分 → 30 栗原 勇蔵)
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田孝行
 35 河合 竜二(72分 → 6上野良治)
 10 山瀬 功治
  8 マルケス(45分 → 32 山瀬 幸宏)
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔
Substitution
GK31 飯倉 大樹
DF 4 那須 大亮
FW18 清水 範久
 20 ハーフナー マイク


前半、立ち上がり隼磨のクロスを大島が頭で合わせるがゴール左へ。その後もここ数日続く猛暑の影響で芝が傷んでいたせいかシュート後に砂が舞い上がるなど、シュートがフィットせず、ゴール前での山瀬、マルケスのシュートは共に枠を逸れる。それでも30分、河合のクロスを相手GKがキャッチミスし、こぼれたところを大島が頭で押し込み先制。
しかし、先制で気が緩んだせいか、奥が抜け出て哲也と1対1となるが、判断良く呼び出した哲也がブロック。直後にもパスミスをカットした難波に突破されるが、中澤がカバーし失点を免れる。
すると、前半ロスタイム、ゴール前で大島が落としたボールを坂田がゴール前の密集をものともせず右足で放ったシュートがGKの手先をかすめながらゴールし2-0。貴重な追加点を奪って前半終了。


後半、交代で入った幸宏のパスから山瀬が抜け出してシュートを狙うがGKに阻まれる。だが、次のチャンスではキッチリ決める。左サイドの深い位置でキープした小宮山からのパスを受け、左足で狙ったシュートが決まり3-0。ここから大量失点で攻撃に出ようとする相手の攻撃を食い止めると、その後はゴールラッシュ。
62分、右サイドから切り込んだ隼磨の左足ミドルはクロスバーに直撃しDFにクリアされるが、そのボールが完全に蹴りだせず、やや遠めの位置で拾った幸宏が左足でミドルを決め4-0。3分後の65分には小宮山が左足で狙ったミドルをGKが弾き、こぼれたところを大島が詰めて5-0。
ここで立て続けに温存と思われる選手交代で松田に代えて勇蔵、河合に代えて上野を投入する。それでも勢いは止まらず、右サイドをドリブルで上がった隼磨からパスを受けた大島が左足で突き刺して6-0。これで大島はハットトリック。74分にも1点目と似たような形で山瀬がこの日2点目を決めて7-0。
82分に1点を返されるが、88分にも隼磨のクロスに大島がファーで右足のボレーで合わせて8点目。暑さを吹き飛ばすような快勝で試合終了。


前回の三ツ沢でのアウェイゲーム。サポーターの数を考慮せずスタジアムの中間点に緩衝エリアを設定し、アウェイ側は立ち見続出、ホーム側は比較的ゆったりだった相手チームの運営、露骨な遅延行為を行った挙句、試合終了後にアウェイ側のバックスタンドに向かってガッツポーズを見せて中澤が怒りを露にしたGKのミスから先制点を奪い、サテライトリーグであからさまなラフプレーをし、この試合でも競り合いの場面で1度目は肘を上げ気味で飛び込み、2度目は明らかなアフターチャージで哲也を押し倒した選手が負傷退場するなど、まさしく因果応報の結果。(3点目は決して相手選手の負傷を喜んでいるわけではないのであしからず。お大事に。)


最後に、今日の観衆は53,916人。ウォーミングアップ中に映し出されるメッセージでは福岡から来場した方のメッセージも紹介されていました。そういった横浜から遠方に在住の方はスタジアムに足を運びたくても何度も運ぶのは難しいと思います。また、クラブが本気になり、スタジアムを埋めたサポーターの期待に選手も応えてくれました。スタジアムに足を運びやすいホームタウンの横浜・横須賀のサポーター、それ以外の地域に住んでいても足を運ぶことができるのであれば、来たくても来れないサポーターのためにも今後の試合もホーム、アウェイを問わずスタジアムに足を運んでほしいと思います。そうすれば選手も期待に応えてくれると思います。


3点目を決めた山瀬は看板を飛び越えゴール裏へ
幸宏のゴールで4-0大島の2点目で5-0
途中交代後の松田も追加点には真っ先にベンチを飛び出す。
大島のハットトリックで6-0MLJマン・オブ・ザ・マッチの坂田
ベネッセ マン・オブ・ザ・マッチの大島ヒーローインタビュー後の2人
試合終了後の選手たち
試合終了後の選手たち(クリックで拡大表示可能)

2007/ 8/15 J1第20節 川崎フロンターレ vs 横浜F・マリノス

布陣川崎フロンターレ 1-2 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 22 中澤 佑二
  3 松田 直樹
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行(78分 → 14 狩野 健太)
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔(83分 → 4 那須 大亮)
Substitution
GK21 高桑 大二朗
DF30 栗原 勇蔵
MF 6 上野 良治
FW20 ハーフナー マイク
  8 マルケス


立ち上がりにゴール前で与えたフリーキックは壁が跳ね返し、ジュニーニョのシュートは枠を逸れピンチを逃れる。すると、左からのクロスを坂田が頭で合わせるがミートせず枠を外れ、直後には右サイドでボールをキープした隼磨がミドルシュートはGKにセーブされるものの、徐々に攻撃のペースを掴む。
30分過ぎには幸宏のフリーキックはGKがピスティング、直後にもゴール正面やや遠めの位置で拾った幸宏が狙うが枠を越えてしまう。それでも36分に山瀬の左コーナーキックをファーサイドで大島が合わせて先制。
守備面ではルーズボールには中盤が出足良く反応し、相手のドリブルやクロスに対しても4バックが堅守を見せ、終了間際に左サイドを崩された場面でも中澤が体を張って守りきり、1点リードで前半終了。


後半は互いにシュートまで結びつかない展開となったが、ファーストシュートで追加点を奪う。センターサークル付近で相手のパスミスを拾った坂田が1人で左サイドをドリブル突破し、左足で入れたライナー性のクロスに山瀬が飛び込みながら右足で合わせてリードを2点に広げる。
その後、相手が選手交代を立て続けに行い、攻撃的に仕掛けてきたあたりから中盤の運動量が落ち始めたため、78分に吉田に代えて狩野を投入するが狩野自身の運動量が上がらず流れを変えることができない。さらに83分にはFWの坂田に代えて那須をボランチに配置し、河合、那須のダブルボランチ、右に狩野、左に幸宏、前線に大島と山瀬を残す布陣で逃げ切りを図るが、逆にマークにずれが生じたり、相手の勢いが上回り、85分に1点を返される。直後にもジュニーニョに右サイドを突破されシュートまでもっていかれるなど劣勢の時間帯が続く。そしてロスタイム表示は相手に勇気を与える4分。
しかし、ロスタイムが少し経過したところで相手の攻撃を断ち切ると、終盤はコーナー付近でボールキープし失点を回避し2-1で試合終了。


暑さが厳しい中での連戦だっただけに後半途中から全体的に足が止まり始め、後半は耐える時間が続いた。疲れている仲間を助けるべく投入された狩野、那須も流れを変えるまでは至らないどころか、簡単にボールを失ったり、中央を崩されるなど、期待通りの活躍が見られなかった。
そんな中で苦しい試合を勝利できたことは大きい。次は中2日で名古屋でのアウェイゲーム。日程的には次の試合がこの夏の正念場かもしれない。苦しい時こそ数多くのサポーターがスタジアムに足を運び、選手の後押しをしたいところ。


追加点を決めた山瀬はリーグ戦10得点目カップ戦含め3戦連発の大島
試合終了後の選手達

2007/ 8/18 J1第21節 名古屋グランパス vs 横浜F・マリノス

布陣名古屋グランパスエイト 0-3 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 22 中澤 佑二
  3 松田 直樹
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行(45分 → 18 清水 範久)
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(89分 → 14 狩野 健太)
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔(84分 → 8 マルケス)
Substitution
GK31 飯倉 大樹
DF 4 那須 大亮
 30 栗原 勇蔵
MF28 天野 貴史


前半の立ち上がりはこのところのいい流れを継続し攻撃が機能。左サイドから何度か崩し、10分過ぎには山瀬からのパスを受けた坂田が左足で狙うが右に逸れる。
しかし、今日は次の手が出ず、ディフェンスラインの裏にロングボールを入れて足の速いFWを走らせる前回の対戦で敗れた試合と同じような形を作られる。それに耐え、攻撃に転じようとするが、右サイドで吉田がボールを受けてもここ数試合は激しい上下動でフォローしていた隼磨の運動量が上がらず、吉田が孤立することが多く、前線でうまくボールがつなげないためディフェンスラインでのパス交換やバックパスが増え、ボールを引き出そうと山瀬のポジションが下がり目になってしまう悪循環。前半に関しては今季の中でもワースト上位に入る展開で前半終了。


後半、前半の悪い流れを断ち切るために吉田に代えて清水を投入。すると立ち上がりから良い流れとなる。小宮山とのコンビで左サイドを崩した幸宏がグラウンダーのクロスを入れ、相手クリアミスがポスト直撃。直後にも小宮山が突破してのグラウンダーのクロスに坂田が右足で合わせたがこれもポストに阻まれる。さらに小宮山のクロスに坂田が頭で合わせるがGKにセーブされチャンスは数多く作るが得点は奪えない。
それでも10分、幸宏の右コーナーキックから中澤が頭で合わせたボールをゴール前で拾った松田が蹴り込み先制。

先制点を決めた松田

すると名古屋が攻め急ぎボールを失う場面が増え、坂田、大島の突破に対してファールで止めて警告が出されるなど優位に試合を進め、19分にはゴール前でボールをキープした坂田を山瀬がフォローし、こぼれたところを相手DFが苦し紛れにクリアするが、それが味方に当たってしまいオウンゴールとなり追加点を奪う。
その後、連戦で疲れの残る選手たちは早い段階からリスクを負わないパス回しを織り交ぜながら攻撃の機会を伺い、37分には左サイドを突破した小宮山のクロスに坂田が右足で合わせて3-0。終ってみれば快勝で再開後3連勝となった。


前半、立ち上がりの10分以降は昨年までの人が動かず、苦し紛れのバックパスや横パスが多い展開となってしまった。連戦や暑さも影響したかもしれないが、あまりにも酷い内容であった。
後半は清水を投入したことで中盤の運動量が戻り、プレスが効きはじめ、早い時間に先制できたことで、相手にも疲労や焦りが見えはじめ、そこを畳み掛けるように追加点を奪うことができた。
中2日での厳しいアウェイ2連戦を連勝し、順位もじわじわと上昇してきた。この勢いを持続させるためにも、来週の中2日でのホーム2連戦を連勝することができれば非常に大きい。そのためにも、ぜひ1人でも多くのサポーターがホームゲームに足を運び、選手の後押しをしましょう。

オ~~オイッ!
駄目押しの」3点目を決めた坂田アシストの小宮山に駆け寄る幸宏

試合後の選手達

2007/ 8/26 J1第22節 横浜F・マリノス vs サンフレッチェ広島

布陣横浜F・マリノス 2-2 サンフレッチェ広島
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 22 中澤 佑二
  3 松田 直樹
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行(45分 → 18 清水 範久)
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(62分 → 8 マルケス)
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔(85分 → 20 ハーフナー マイク)
Substitution
GK21 高桑 大二朗
DF 4 那須 大亮
 30 栗原 勇蔵
MF28 天野 貴史

前半は相手の1トップ2シャドーの布陣にてこずり、隼磨、小宮山の両サイドバックがその2シャドーに引っ張られてポジショニングが中になってしまうことが多く、特に相手の右サイドバック駒野に良い形でボールが渡り、左サイドを突破される。
そして12分、今度は右サイドに入れられたロングボールに佐藤寿人が抜け出し、哲也が引っ張り出されたところでゴール前に折り返されたボールを決められ0-1。
それでもすぐの19分、後方からのボールを大島が競って落としたところを坂田がキープし、動きなおしてパスを受けた大島が冷静に決めて1-1の同点とする。

これで立ち直ったかと思われたが、水曜日に代表戦を戦った中澤は疲労の色が見え隠れし、クリアミスで与えたコーナーキックをゴール前で合わされてピンチを迎えたり、クリアボールが真上に上がってしまうなど不安定な場面が見られた。
そして36分、右サイドを崩され、1失点目と似たような形で抜け出た佐藤寿人の折り返しをクリアしきれず、こぼれたところを決められ1-2。その後、全体的にパスの精度が落ちるなど不安定さが解消されないまま前半終了。


後半、前節の名古屋戦同様に吉田から清水の交代する。すると、清水がファーストプレーで鋭い突破でファールを受け、相手に警告が出される。
その後もセットプレーのチャンスを何度か得るがものにできないため、62分には幸宏に代えてマルケスを投入。マルケス自身の動き自体はそれほど目立つものではなかったが、このあたりからチーム全体が積極的に攻撃を仕掛けるようになる。
右サイドのクロスを坂田が頭で合わせるがGKがセーブ。このプレーで得たコーナーキックから最後はこぼれたところを中澤が右足で狙うが大きく外れる。
そして71分、右サイドから切れ込んだ隼磨が左足で狙ったシュートがポストをかすめながら決まり同点。直後にも右サイドでボールを受けた隼磨が右足でミドルシュート。これをGKが弾くが詰め切れない。
残り時間わずかになったところでマイクを投入しパワープレーに出るが、良い形で落とすことができずそのまま試合終了。


代表戦に出場した中澤、山瀬以外の選手は名古屋戦から1週間のインターバルを挟んだにも関わらず、前半は全体的に動きが重く、流れを変えるためとはいえ2試合連続でハーフタイムに交代枠を使うのは望ましくない。
また、次節はホームとはいえ中2日に対し、相手の磐田は中3日で挑んでくるだけに試合中から疲労の色濃い中澤と、終了間際のシュートをブロックにいったプレーの影響か、試合終了後足を引きずりながらドクターといち早くロッカーに戻った松田の2人が気がかりなところ。

同点ゴールを決めた隼磨足を引きずりながら引き上げる松田

2007/ 8/29 J1第23節 横浜F・マリノス vs ジュビロ磐田

横浜F・マリノス 4-1 ジュビロ磐田
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 30 栗原 勇蔵
 22 中澤 佑二
 13 小宮山 尊信(85分 → 26 田中 裕介)
MF 8 マルケス
 35 河合 竜二(85分 → 4 那須 大亮)
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(33分 →18 清水 範久)
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔
Substitution
GK31 飯倉 大樹
MF28 天野 貴史
  6 上野 良治
FW17 吉田 孝行


夕方から強い雨に見舞われる中での試合。前半11分、相手コーナーキックをカットした勇蔵が濡れたピッチの影響でクリアできず、そこを蹴りこまれ先制点を許す。その後、失点の場面では確かに雨の影響を受けたが、芝の状態はそれほど悪いわけではなく、足を取られる選手もほとんどいなかったが高山主審は多少の接触プレーは流し気味のジャッジ。磐田はそれをうまく利用し試合を優位に進める。
すると前半33分、早い決断で幸宏に代えて清水を投入。そして43分、この試合、ここまで左サイドでプレーすることが多かったマルケスが右サイドに流れたところでボールを受け、ゴール前にグラウンダーのクロス。それを大島が決めて前半で1-1のタイスコアとして前半終了。

前半はキックオフ時の布陣では右にマルケス、左に幸宏だったようだが、試合が始まると左サイドでのプレーを得意とするマルケスがほとんどの時間を左サイドでプレーし、序盤は幸宏とポジショニングが被る場面もあり、時間の経過とともに幸宏が仕方なく右サイドでプレーしているように見えた。これが意図したことなのかが非常に気がかりなところ。


後半は立ち上がりからゴール前でファールを受け、セットプレーの機会を得るが得点ならず。その後は両サイドから崩し惜しい形は作るものの、最後のところで噛み合わずチャンスをものにできない。それでも55分。右サイドでボールを拾った清水がドリブルで進み、角度のないところからニアを打ち抜き逆転。
すると勢いが増し、58分に角度のないところからのフリーキックを山瀬がこちらもニアサイドに蹴り込み、川口の脇をかすめて決まり3-1。

ここから意気消沈する相手を尻目に試合を支配し、相手の攻撃をインターセプトするとすばやく前線にボールを送り、効果的な攻撃を見せる。71分にはマルケスの浮き球のパスは通らなかったが、そのこぼれ球を拾った坂田がドリブル突破し、左足で落ち着いて流し込み4-1。
直後にも相手ディフェンスラインの裏に抜け出た大島が、GKと1対1となる直前にペナルティエリアすぐ外で倒され得点機会阻止のようにも思われたが、このプレーには警告に留まる。
85分にはこの試合で通算4枚目の警告を受け次節出場停止の河合に代え、代役として出場が予想される那須、連戦フル出場だった小宮山に代えて裕介を投入。
その後も積極的に仕掛け、86分には再び相手GKと1対1になりかけた大島を磐田の上田がペナルティエリアすぐ外のところで押し倒し1発退場。追加点こそ奪えなかったものの見事に勝利。

後半途中までは判定に苛立っていた選手たち4点目を決めた坂田
坂田の謎のポーズ決勝ゴールのジローがマン・オブ・ザ・マッチ
試合後の選手達

2007/ 9/ 2 J1第24節 柏レイソル vs 横浜F・マリノス

柏レイソル 1-0 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 30 栗原 勇蔵
 22 中澤 佑二
 13 小宮山 尊信
MF17 吉田 孝行(45分 → 18 清水 範久)
  4 那須 大亮(81分 → 6 上野 良治)
 10 山瀬 功治
  8 マルケス(68分 → 32 山瀬 幸宏)
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔
Substitution
GK31 飯倉 大樹
DF26 田中 裕介
MF28 天野 貴史
 19 乾 貴士

前半、自分たちのキックオフで始まった試合。ファーストプレーからの一連の流れを柏が大きくクリアしたボールをライン際でキープした李に対し、対面の隼磨をはじめ、ディフェンスラインは気を抜いてしまう。李も中の枚数が足りないため味方の上がりを待つためにゆっくり攻めあがる。ここで寄せたり、プレッシャを与えることもできたはずが、隼磨の詰めは甘いままクロスを許し、そのボールを頭でクリアしようとした中澤のクリアミスがゴールに吸い込まれ先制を許してしまう。
その後、右サイドで吉田が粘ってボールをキープしクロスを上げるなど、良い形は何度か作ったが、早い時間にラッキーな形で先制点を奪った柏はゴール前に人数を割いて守り、クロスやシュートまでなかなか持っていけず、数少ないシュートも楽な形では打たせてもらえないまま前半終了。



ハーフタイムには監督に指示を受けたジローがウォームアップを開始し、後半開始から吉田に代えて投入される。吉田は前半の序盤こそ良いプレーがあったが、試合が進むにつれて消える時間もあったため仕方ない面もあるが、連戦のチームの中、前節は出場していないだけにハーフタイムの交代はどうしても勿体ない気がしてならない。


後半も試合の主導権は握り、立ち上がりに山瀬がドリブル突破からシュートを狙うが、ここでもゴール前を固める相手守備によってシュートコースがなくディフェンダーに当ててしまう。
その後はなかなかシュートまで持っていけなくなり、こう着状態となる。68分にはマルケスに代えて幸宏を投入するが、試合の流れは変わらない。ここでも山瀬が単独突破からシュートを狙うが、前のプレー同様、ディフェンダーにシュートコースを消されてしまう。
81分には那須に代えて上野を投入するものの、最後まで決定機は作れぬまま試合終了。


立ち上がりの失点で試合を通じて相手が引いて守る守備的な戦いをしてきたため、最後まで崩すことができなかった。こういった展開で重要になってくるセットプレーでは、このところコーナーキックを任されているマルケスのボールがいつも以上に山なりの緩いボールで得点の可能性を感じることができなかった。
また、松田の負傷、河合の出場停止でチャンスを得た勇蔵、那須もボールを奪うまでは良いが、その後の展開やフィードの正確性という点では物足りなさは否めない。せっかく奪ったボールでも、ロングフィードがそのままラインを割ってしまうようでは厳しい。

2007/ 9/16 J1第25節 ガンバ大阪 vs 横浜F・マリノス

ガンバ大阪 0-2 横浜F・マリノス
【メンバー】
GK 1 榎本 哲也
DF 7 田中 隼磨
 30 栗原 勇蔵
  4 那須 大亮
 13 小宮山 尊信
MF18 清水 範久
 35 河合 竜二
 10 山瀬 功治
 32 山瀬 幸宏(45分 → 8 マルケス)
FW15 大島 秀夫
 11 坂田 大輔(88分 → 19 乾 貴士)
Substitution
GK21 高桑 大二朗
DF26 田中 裕介
MF14 狩野 健太
 17 吉田 孝行
FW20 ハーフナー マイク


前半、立ち上がりから積極的に仕掛け大島が繋いだところを清水がシュート。しかし、その後は大島がシジクレイとの競り合いの中で足を痛めてしまい、しばらくの間プレーからキレが失われた印象でなかなか良い形が作れず、逆にカウンターからシュートまで持って行かれる場面があった。ただ、センターバックの勇蔵と那須がすばやく寄せてシュートコースを消したり、哲也のセーブで嫌な時間帯を凌いだ。
終盤には左サイドからのクロスを山瀬が頭で合わせたがミートせずに枠を外れ、何度かあったセットプレーのチャンスも跳ね返され0-0で前半終了。

ハーフタイム。選手交代のサインとなる1人でのウォーミングアップをこの日はマルケスが開始。結果的に幸宏との交代となった。その幸宏は前半はボールタッチ数が多く、ボールを左右に散らすなど悪くない印象ではあったので、判断が難しいところ。


後半、序盤は押し込まれていたが徐々に盛り返し、左サイドのマルケスからのクロスに坂田が頭で合わせたが、GKが辛うじて触れたボールがゴールわずか右に外れチャンスを逃す。
それでも16分、後方からのロングボールに抜け出した坂田がGKと1対1のチャンスを迎えると、坂田はGKもかわして無人のゴールに流し込み先制。直後の18分にも似たような形で抜け出した坂田が、前のかわされたプレーの影響もあってか動きが一瞬止まったGKの頭上を越えるループを決めて追加点。

ここからは2点ビハインドを跳ね返すべく必死で攻撃をしかける相手に対して守る時間が多くなってしまったが、前線に入れられるボールには勇蔵も那須も厳しいマークで相手を自由にさせず、シュートまで持っていかれても哲也のファインセーブやセカンドボールにすばやく反応してクリアするなど最後まで耐え抜いて2-0の勝利。


後半の終盤は押し込まれてはいるものの、組織は崩れずに選手たちの出足も鈍っていなかったので判断は難しいところではあるものの、序盤から前線で激しいチェーシングで走り回っていた坂田の交代をもう少し早く行ったり、ロスタイムにも残りの交代枠を使ってもよかったのではないか。また、見方によってはのしかかってきた相手のファールとも取れるプレーで警告が出され、次節出場停止となった山瀬のプレーが悔やまれるところ。

追加点で歓喜の輪地元関西で久々出場の乾

2007/ 9/22 J1 第26節 横浜F・マリノス vs 浦和レッズ

クラブ、監督は浦和相手だからといって腰が引けていたのではないかと思う。
まず、当日の席割り。昨年の対戦では50,572人の観衆を集めたが、ビジター席の2階を開放するだけで十分で、アウェイ側ホーム自由席には多くのマリノスファン、サポーターが陣取っていた。ただ、SB席にも多くの浦和サポーターがいたため、断幕掲出を巡って一方的な言いがかりをつけられ、不必要な争いが生じた。
そして今回、前売りは前日で約40,000枚と前年を下回る数字と一部で報道されたが、席割りが当初予定されていたものよりもビジター席が大幅に拡張され、その煽りを受けた形でアウェイ側ホーム自由席が緩衝エリアとなった。クラブとして何か狙いや意図があったかもしれないが、相手ホームゲームでは狭いビジターエリアに押し込められるような状況にも関わらず、自分達のホームゲームで相手サポーターを厚遇して、ホームのサポーターを冷遇してしまっては話にならない。クラブ側にそういうつもりはなかったとしても、そう感じてしまった人がいた時点でそういうことになってしまうし、人気のあるメインスタンドの一部を緩衝エリアとしてしまうだけでも普段と比べればサービス低下ということになってしまう。


※写真はキックオフ30分前。この時点でホーム側自由席1階席はほぼ満席。


次に戦術。今回は山瀬の出場停止という事態が重なったとはいえ、日頃のインタビューでは「我々はやり通す事が大事」と繰り返しているにも関わらず、5月と今回の浦和戦だけはダブルボランチのシステムを採用している。
数日前から浦和絡みのサイトからリンクが貼られ、そこからのアクセスが増えていたため詳細を出さなかったが、20日の紅白戦では1本目の主力組がこの日の先発メンバーだった。20日の練習レポートでも書いたとおり、単純に山瀬の穴埋めとして那須が起用されているため、これまで山瀬が担っていた攻撃面を那須が補うことには無理があり、河合、那須のダブルボランチはあまり機能しているようには見えなかった。そして、2本目は中盤が河合、右に吉田、左に乾、トップ下にジローという形になり、乾が突破からシュートを放ったり、ジローと吉田がポジションチェンジをしながらコンビネーションで右サイドを崩したりと良い形ができていただけにこれまでの形を貫き、山瀬の代役に誰を起用するのかが焦点と思っていたが、結局は機能していなかったダブルボランチを採用。
G大阪戦を勇蔵、那須のセンターバックで完封し、浦和戦は中澤の復帰によって完封したコンビの一方が出場できないというのは多少酷な話なので監督にも葛藤はあったかもしれないが、浦和相手ということで守備を固めたい、3人とも起用したいという後ろ向きな采配と思えてしまう。

2007/10/ 6 J1第28節 FC東京 vs 横浜F・マリノス

前節の敗戦にも言いたいことは多々あったが、次の試合を見てからにしようとスタジアムに向かった。

那須の右サイドバックでのスタメン起用には呆れたの一言。3月、6月、そして今回とチーム状況が悪くなると那須をサイドバックで起用するが、良いパフォーマンスを見せたことは皆無で、それを理解したうえでの起用であれば何とも言いようがないが、これまでのサイドバックとしてのパフォーマンスに満足しての起用であれば監督としての資質や今後も指揮し続けること自体に疑問符がつく。
その那須は今日も随所で不安定なプレーが見られた。具体的には前線に駆け上がりロングボールを頭で折り返すプレーが何度かあり一見良いプレーに見えるが、那須の上がった背後のスペースをジローがケアしなければならず、ジローがサイドバックのようなポジションをとる場面が何度も見られ、何のために那須を起用したのか分からない状態になってしまう。

ハーフタイムになると選手交代を意味するウォームアップを隼磨が始め、那須との交代を疑わなかったが、何と小宮山を下げて隼磨を右サイドバックに投入し、那須を左サイドバックに配置する。
そして後半開始間もない2分に幸宏が左足で決めて先制する。この得点を監督は「後半に選手を代えて、先制ゴールが生まれた。」としているが、ここまでの来ると自分の采配の正当化としか思えない。その後も、残り10分程で選手交代を立て続けに行うが、選手交代の遅さやこの日は3枚交代枠を使ったが、交代枠を残したまま試合を終えてしまうことは今に始まったことではない。

これまでの結果が出ていた期間はチャンスを与えられた選手が結果を残し、監督の思い描く理想の布陣とは異なる選手がピッチに立ってきたかもしれない。ただ、プロである以上、結果を残した選手が評価され、試合に出場するのが普通である。しかし、早野監督の場合、試合でのパフォーマンスが悪いと毎試合のようにハーフタイムに選手交代を行ったり、練習でも満足にプレーしていない那須をサイドバックやボランチでスタメン起用したり、競争原理がうまく機能していないように思える。

前節の試合終了後に監督は「この壁を打ち破らなければ本物に近づいていくことはできないだろう。 」とコメントしているが、その壁を打ち破ることの最大の障壁が過去の失敗や教訓を次の采配に生かせない監督自身であるような気がしてならない。

2007/10/20 J1第29節 横浜F・マリノス vs 清水エスパルス

とにかく何一つ進歩がない。チームもゴール裏中心部前段のサポーター集団も。

監督の仕事はスタメン+ベンチ入りメンバー(選手交代も前もって決めているように思える)を決めて、コーチに交替選手を呼びに行かせ、交代用紙を書かせ、試合後にコメントするだけなのか?
チームがうまく機能していないのに選手に指示を与えることができないのであればベンチに座る意味がない。
各所で湧き上がっていた選手起用に対する不満や反発を感じてか、今日の試合は8月の好調時の布陣に戻したが、「望むような布陣にしてやったから後は勝手にプレーしろ」と言わんばかりにベンチを飛び出して指示することはなかった。
試合後のコメントで「サイドが上がるのはウチのサッカーの基本。ただ両方が上がってしまうのは、焦りがあったのかもしれない。 」と言うくらいなら試合中から修正すべきである。

両サイドが上がってしまったことは選手達も責任が問われるべきかもしれないが、両サイドの隼磨、小宮山は調子が今ひとつだったとはいえ、ここ数試合はスタメンを外されたり、スタメンで起用されてもハーフタームで交代させられたりと、今日の試合に限らずプレーに迷いや焦りを生じさせてしまうような状況を作ったのは監督の采配である。
これはプロ入り初スタメンを不慣れなFWで起用された乾、試合毎にポジションが異なり、挙句1試合の中でも左右の両サイドバックでプレーさせられる那須にも似たようなことが言えるかもしれない。

選手の持ち味を発揮させるどころか、選手の長所や輝きを消しかねない采配をし続ける監督の存在意義が全く見出せない。

-----
応援に関しては、接触プレーで傷んでいる選手を励ますコールもできなければ、失点後もその前からのコールを延々と続けるのはどう考えても「サポート」にはなっていない。今日の試合はさすがに自発的にコールをやめたサポーターの方もいたようで多少は安心した部分もあった反面、子供やスタジアム経験の浅いファンの方々は延々と続くコールがサポーターの総意と疑わず、手拍子を続けているのを見て申し訳なく思った。

2007/10/27 J1第30節 ヴァンフォーレ甲府 vs 横浜F・マリノス

失点シーンは多少寄せが甘かった印象があったが、相手FWにチェックをしていたのは山瀬だった。この日の布陣では前から3番目の選手。流れの中で一概には言えないかもしれないが、山瀬が前線に顔を出すことができないと攻撃に厚みや迫力が出ないので、山瀬に守備面での負担を負わせていまう状況の改善が望まれるところ。

後半、10~15分経過したあたりから試合は既にこう着状態。こうした状況、そしてマルケス、陽介といったサテライトリーグや練習試合で結果を残した攻撃的な選手をベンチ入りさせているのであれば積極的な選手交代で攻めの采配を期待したいところだったが、ベンチには動く気配が全くない。
そして残り15分で相手DFが退場となったところで攻撃の枚数を増やしたり、チーム全体で押し上げて攻撃をしかけるべきところであったにも関わらず、監督は腰を下ろしたまま。他方、これは主観がまじるが、交代選手を呼びにいく役割も担っている松永コーチは立ちたままもどかしさを感じているように見え、交代選手の準備をする篠田フィジカルコーチからも同じような雰囲気が読み取れた。

そして残り少なくなったところで水沼宏太を投入。これは彼が積極的にプレーしてくれたことで救われた面が大きいが、その前に打つべき手はあった。
これまでも試合の流れや状況に応じた采配ができない監督だということは分かっていたが、結果も伴わなくなった現状でシーズン終了後の退任という方針のフロントにも疑問がある。
強化方針の読み違いによる責任問題の回避、監督解任による内外へのイメージ悪化の回避などの理由があるかもしれないが、前者はチームの現状、順位を見るだけで十分に責任を負うべきであり、後者は現状のサッカーを続けることの方がイメージを悪化させてしまい、来季以降のスポンサー契約や入場者数に悪影響を及ぼしかねない。過去の例に照らし合わせてみると、いつでも責任を取る覚悟はあるという監督も自らの「辞任」では契約期間残り3ヶ月の報酬が受け取れなくなってしまう。しかし、クラブ側からの「解任」であれば残り報酬も保証される可能性が高い。監督に目の前の試合に対する執念が感じられないのに監督という立場に固執しているのは何故かといえば報酬ではないかと思えてしまう。そういった監督は報酬を保証した形で解任すべきである。

そして、今シーズンの残り試合は本当にチームを良くしたいというフロント、スタッフ、そして勝ちたいという強い気持ちをもってプレーできる選手だけで戦うべきである、
それはサポーターにもいえる。昨日の試合は1人少ない相手に15分もの時間があったにも関わらず、攻めあぐねて勝ちを逃した。確かに選手は頑張ったかもしれないが、1つ1つのプレーに対する気迫や必死さは相手選手の方が上回った。頑張ったなら勝てなくても良くて、選手を拍手で出迎えるのであろうか?そういった状況がシーズンを通して続いてJ2降格という事態になっても「頑張ったから仕方ない」となるのであろうか? 勝てない=ブーイングとまではいかないが、サポーターも1つ1つの試合に対してもう少し執念や厳しさを持ってもよいのではないかと思う。
選手も拍手されれば「そうだ、仕方ない」と思ってしまうかもしれないし、厳しい声やブーイングを浴びせさせれば悔しさや屈辱感がこみ上げてくるかもしれないし、それが転じて「次こそは勝ってやる」という気持ちになるかもしれない。


先制点までは良かった


リーグ戦初出場の水沼宏太

2007/11/18 J1第32節 ジェフユナイテッド千葉 vs 横浜F・マリノス

前半、隼磨がボールを受ければ迷いなく縦への突破を試みるプレーで流れを引き寄せ、20分のコーナーキックから最後は中澤が決めて先制。
その後、何度かカウンター等からピンチを招くものの、凌ぎきり前半終了。

後半、やはり前半のプレー振りから隼磨が警戒され、前半のようにスペースを与えてもらえずにやや攻撃が滞りがちになる。
20分あたりからは全体的な流れも悪くなり、嫌な雰囲気が流れる。そんな中、自陣深い位置でセットプレーを与え、その流れから相手のシュートが勇蔵の手に当たってしまい1発退場、そしてPKを決められ同点とされてしまう。そうなる前から監督が積極的に声を出したり、早めの選手交代で流れを変えることもできた可能性もある。

ここで、狩野に代えて那須を投入。
この交代、前節に中途半端なバックパスで失点の引き金となったプレーをした選手と、さらにその前の天皇杯で大きな破綻なくプレーできた選手とで、相手のレベルの違いこそあるものの前者を選ぶあたり、嫌な時間帯で指示すら出せないこともあり監督不信は募るばかり。アクシデントで1人少なくなった状況であるからこそ、経験豊富なベテラン選手でチーム全体を落ち着かせるべきではなかったかと思う。
そして、79分、那須のミスパスを奪われたカウンターからのクロスをゴール前でフリーの選手に決められ逆転を許してしまう。

ただ、今日はここからの攻撃が実を結ぶ。失点間もない80分に右サイドで粘ったジローのクロスを大島が頭で合わせて同点。84分には左サイドでキープしたジローが右サイドに走りこんだ隼磨へのサイドチェンジ、隼磨のトラップがピタリとはまり、最後は逆サイドネットに流し込んで逆転。試合は勝利を収めた。

しかし、逆転後の時間の使い方にも不満が残る。残り6分という時間で相手はDFを1枚削ってFWを投入し、最後の攻撃を仕掛けてきた。こういう状況では自分達のカウンターが効果的な展開。さらに前節を膝の違和感で欠場した山瀬、今週は別メニューの期間があった大島をフル出場させるよりも、中盤にスペースができやすい状況だからこそ乾を投入してドリブルでボールを前に運ぶプレーをさせたり、他チームが行うような相手への精神的プレッシャーや時間の浪費の意味も込めて守備的な選手を投入することが4分もあったロスタイムでできたはずである。乾も実戦で納得いくプレーが1度でもできれば大きな自信になるのではないか。

そして次節、この試合で退場となった勇蔵は出場停止。その位置に2試合連続で失点の引き金となるプレーをした那須を起用すれば、他のDFの選手やチーム全体の競争意識にマイナスに働くに違いない。

中澤同点
得点後声援に拍手で応える。祈りではあらず。大島のゴールで同点
隼磨1隼磨2
決勝点の隼磨はジローに駆け寄り感謝

2007/11/24 J1第33節 横浜F・マリノス vs アルビレックス新潟

今季ホーム最終戦。結果としては8月11日以来の日産スタジアムでの勝利でお茶に濁された面が大きいが、ここ数年の課題がそのまま今後にも残された。勝ったから良しでは天皇杯もあっさり敗退してしまいかねない。

前節の前半に流れを引き寄せた隼磨の縦に勝負するプレーが今日は少なかった。これは相手が研究したためか、隼磨が不調だったのかは定かではないが、好調時のプレーを持続できないことが不安定ぶりを現しているのかもしれない。それが試合後のヒーローインタビューでの「良い時もあれば悪い時もあるが、それが今のマリノス」という中澤の言葉になってしまうのだろう。

また、スタンドから見ているとボールを持った選手の縦にパスコースが見えたり、逆サイドにフリーの選手がいる。そういった場面で選手にはそこが見えていない、見えているがそこに通すアイデアがない、見えていてアイデアもあるが通す自信がないから横パス、バックパスでミスを避けるセーフティファーストのプレーを選択しているという可能性があるが、ここ数年のマリノスには3番目の選手が多いように感じる。しかも、その消極的なパスですら繋がらなかったり、失点に直結するミスを引き起こすのだから安定した戦いができなくなる。
一方の新潟は中盤の選手がボールを持つと前線の選手にボールを通そうと浮き球などを織り交ぜながらチャレンジする。確かに通る回数よりもカットされる方が圧倒的に多いが、何本かに1本でもつながればシュートチャンスになる。今日の試合は哲也の好セーブなどもあり失点こそ免れたものの、チャンスの数では新潟が上回っていた。

戦力補強や若手の育成などは今日の明日でできるものではないが、そういったチャレンジする姿勢を持ってプレーすることは残るリーグ最終戦と天皇杯ではすぐに実戦できることである。引いた相手を如何に崩すかが課題と言われ続けているが、今季も10月13日のカップ戦準決勝第2戦では後がない状況でがむしゃらに攻めた結果、試合には敗れたものの先制点を含む2得点を挙げたり、先日の鹿島戦でも終盤のパワープレーで形振り構わずに攻めた結果、狩野のクロスから相手のミスを誘って1点を返した。そして今日の試合でもシュートコースが完全には空いてなくても放ったシュートが相手に当たって決勝点となった。

最大でも今季残り5試合。積極的にプレーすることを期待したい。

金井水沼
ベンチ入りした金井貢史2試合目の出場となった水沼宏太
中澤・河合
3ヶ月ぶりのお立ち台でのヒーローインタビュー

2007/12/ 1 J1第34節 ヴィッセル神戸 vs 横浜F・マリノス

先日、契約非更新と新聞報道(試合終了後に正式発表)された吉田もスタメンに名を連ねた。昨年は契約に関する通達後は試合出場を拒否した選手が多かった中で、今回の吉田には心から感謝したいと思うと同時に、残された天皇杯を1試合でも多く戦いたいと思います。

前半、守備的MFの左に入った狩野、左サイドバックの裕介から右サイドの吉田、隼磨へのサイドチェンジの大きなボールがうまくつながり、右サイドから崩すパターンが数多く見られた。しかし、最後のクロスやシュートに正確性を欠き、スコアレスで終了終了。

後半、吉田に代わり水沼宏太を投入。立ち上がり間もなく、後方からのボールに抜け出した坂田が相手DFを振り切ってシュートまで持っていくがGKのセーブに阻まれる。
すると直後にゴール前での混戦からPKを取られてしまう。だがここは最近のPKでもコースは読んでいた哲也が大久保のシュートを弾き出し失点を免れる。

哲也のPKストップ

その後、哲也のフィードを前線で大島とこの日で引退となるエメルソン・トーメが競り合う場面でことごとく弾き返され、なかなかボールが前線で収まらなくなり、前半に比べ攻撃の形が作れなくなってしまう。
途中、狩野に代えて幸宏を投入し、中盤の構成にも変化をつけるが劇的な効果はなかった。
そんな中でも宏太がサイドから中に切れ込んでシュートチャンスを迎え、終盤には左足でシュートを放ったが相手DFに当たって枠を外れてしまう。
3分のロスタイムに入ってから坂田に代えて陽介を入れるが、こういった交代はリードしている試合で行うべきで、今日のような試合では残り時間が十分な時間帯で行うべきである。

この試合、大島のシュート数は0。低い位置に下がってのポストプレーやキープで味方の上がる時間を作ることも大事かもしれないが、やはりシュートを数多く打ち、そのうちの1本でも決まればポストプレーがおろそかになっても問題ないと思う。逆に宏太が見せたようにキープしながらも、意識はゴールに向かっているプレーをされると相手も嫌がるし、もしペナルティエリア付近でファールをもらえればチャンスも広がる。これまでもそういった試合が多かったが、シュート0では厳しい。

吉田水沼宏太
スタメン出場の吉田前半からアップのペースをあげていた宏太